お兄ちゃんの馬鹿
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今年20歳になった俺の妹。
 
その日の深夜、妹がベロベロに酔っ払った状態で家に帰ってきた。
千鳥足をしながら自分の部屋に戻るなり、周りの家族の事などを

お構いなしに大声を上げながらワンワン泣き出し始めた。
その日は最近になって交際を始めた彼氏とのデートだったはず。
妹のその様子から俺が見たところ、どうやらまた失恋したらしい。
これで俺が知ってるだけで5人目。長く続いたのを俺は見た事がない。

俺の部屋は妹の隣だから当然のようにその泣き声は俺の耳にも届いた。
あんまり泣き続けてるので妹の事が心配になった俺は妹の部屋を

覗いてみればベットの上で突っ伏したままで相変わらず泣いていた。
妹の事が心配になった俺が妹に「おい、大丈夫か?」と、優しく聞くと
「お兄ちゃんが悪いのよ!」と言っただけでまた大声で泣き出した。
俺には全く身に覚えもなく心当たりもない事を怒りを剥き出しにして
唐突に言われた俺は咄嗟に言葉を返した。
「はぁ!?何で俺が悪いんだよ???」と。俺は無性に腹が立っていた。
そんな俺の言葉に妹はたった一言こう答えただけだった。
「お兄ちゃんの馬鹿ーーーっ!!」
そしてまたベットに突っ伏して泣くだけ。これでは取り入る隙もない。

勢いで怒ってしまったがやはり自分の可愛い妹だ。俺は心配だった・・

酔っ払って帰ってくる。そして部屋に閉じ篭って泣きじゃくる・・・。 
過去に同じような光景を見た事はあったがその日はいつもと違ってた。
 
こうも失恋を連発したのでは兄貴の立場としては妹が不憫でならない。
そこで俺は妹を励まそうと思った。何てことないありきたりの言葉で。
「まぁ、元気出せよ。その内、いい男が見つかるって!」
そんな俺の気の利かない台詞も妹の耳に届いたのか届かなかったのかは
知らないが何かの言葉が返ってくる事もなく部屋の中には単調な泣き声と
時折、咳き込む嗚咽だけが響いていた。しばらくの間そんな状態が続いた。

どうする事も出来ずに妹に対して兄としてやるべき事はやったのだからと
自分を納得させた俺は部屋を立ち去ろうとドアノブに手を掛けた。
妹はもう立派な成人なんだからいくら兄貴でもこれ以上の事はと考えた。
すると妹が急に泣き止み、それまでの喧騒が嘘のように部屋が静かになった。
「ちょっと待って・・・」
僅かばかりの静寂を切り裂くように言ったのは他の誰でもない俺の妹だった。

その時の俺には特別な感情はなく妹に呼びとめられたのでそれに反応して
答えたに過ぎなかった。あいつは俺の妹だ。それ以上でもそれ以下でもない。

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